バイオメカニズム
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3部 筋・腱・関節
機械的特性に基づく低アーチ足の衝撃吸収機能の補償
清水 新悟昆 恵介裴 艶玲大日方 五郎
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2020 年 25 巻 p. 139-148

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抄録

正常足のアーチ機能は主に衝撃吸収と考えられているが, 低アーチ足と正常アーチ足との衝撃吸収機能の違いは明確にはされていない. そこで衝撃吸収機能の違いを明らかにするため, 低アーチ足と正常アーチ足の衝撃吸収特性をその機械的特性値によって定量的に比較する. 実験では正常アーチ足と低アーチ足に分類して, 測定結果からばね定数と荷重伝達を算出して検討した. 正常アーチ足に比べ, 低アーチ足はばねが固く, 下腿に印加された鉛直方向荷重の一部が大腿により支えられる傾向が明らかになった. 次に下腿への荷重印加時の応答の動特性を数学モデルにより表すことを試みた. 実験で得られた荷重応答特性から, ばね定数と整定時間を比較した結果, ばね定数では低アーチ足と正常アーチ足間で有意差がみられなかったが, 整定時間では有意に低アーチ足が大きい値を示した. 数学モデルとしては, 荷重応答の複雑さに配慮して, 慣性, 粘性と剛性からなる区分的線形動的モデルとした. 同定したモデルは, 下腿の荷重応答特性をよく近似する. モデルの動特性指標の比較によって, 正常アーチ足に対する低アーチ足の衝撃吸収特性の特徴が明らかになった. 個人の特性を捉えた同定モデルは, 低アーチ足の衝撃吸収特性を正常アーチ足に近づけるための足底挿板の設計の基礎を与える.

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© 2020 バイオメカニズム学会
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