バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
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バイオフィリア リハビリテーション学会
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リハを取り巻く変化、地域におけるリハのめざすもの
牧田 光代
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p. 12-

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抄録

日本の社会保障は第二次大戦後、生活困窮者への緊急な対応として生活保護法の制定等から始まり、戦後の復興が進む中で経済成長にともない、国民皆保険、皆年金が実現していった。その後1960年代には健康保険の赤字の問題が議論され、1970年代には人口高齢化が表面化し、経済成長率も低下していった。そのような中で、医療費の無駄を合理化し、利用者本位の新たな介護システムの創設が必要となり、2000年に介護保険制度が施行された。また、2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築が図られている。これらは従来の入院・入所から在宅でできるかぎり生活を続けることができるようにするものである。これは医療費削減だけではなく障害者などのノーマライゼーションの世界的な流れとも呼応するものであった。

リハ職員は従来医療技術者と位置付けられ、医療施設と密接に結びついて入院患者や外来通院者を相手にしてきた。しかし、介護保険制度導入とともに、リハ職員の現実の職場は介護老人保健施設や訪問リハなど在宅に向かってシフトしている。また、介護保険制度導入にあたって、それまでリハの対象ではなかった「予防」がリハの対象となった。この予防の中には障害度(介護度)をそれ以上に悪化させないという意味の予防も含まれている。また在宅者を対象にするということは、在宅で生活する慢性期の方々を対象にするということでもあり、それまでの「患者」としてだけではなく生活者としてリハの対象者をみることになる。すなわち医療モデルの目的の「疾病の治癒・救命」ではなく、生活モデルとしての「QOLの向上」が目的となる。そこで、医療技術者でもあるリハスタッフはその「QOL向上」を目的に治療改善アプローチを用いることになる。

QOL向上のためには地域の異なる事業所間の異なる職種との新たな連携の形も必要となる。さらに在宅への推進が入院期間の縮小に伴っているので、従来は入院加療していた亜急性期の患者も地域・在宅での対象となってきている。

そこで、地域においては以下のリハ職員の特異性を改めて認識して、亜急性期から慢性期の対象者のQOLの向上および生活支援にリハの技術を生かしていかなければならない。

リハは個別療法を主体としており個人の問題を特定できる。

1対1の人間関係を構築できる

障害や痛みの軽減など治療ができる

医療的問題のある人へ疾患に即した生活指導およびエクササイズができる

生活方法指導やADL指導に福祉用具の利用促進を図れる

障害者への体力増強ができる

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