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Bird Research
Vol. 13 (2017) p. A29-A41

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http://doi.org/10.11211/birdresearch.13.A29

原著論文

 北海道苫前町の風力発電施設周辺において飛翔するオジロワシの空間位置を2台の経緯儀により追跡把握した.風向別の追跡事例数は,西北西が最多で西がそれに次いだ.風速階級別の追跡事例数は,8m/sが最多で,7m/sがそれに次いだ.10m格子毎に算出した飛翔頻度と地形条件による統計モデルは,傾斜度,斜面方位(東北東と西北西),断崖の数および海岸線の有無(有)の係数が正を示した.この結果を踏まえ,調査範囲における地形条件をもちいて気流シミュレーションを実施した.その結果,断崖付近から発生する鉛直流(強制上昇流)は,風速が大きくなるにつれ,海側に発達する傾向があった.一般的な揚力式をもちいて,オジロワシの標準的なサイズから最小飛翔速度を求めたところ,経緯儀で得られた断崖付近の飛翔速度はそれより小さかった.この場合,沈下することになるが,断崖付近で発生する鉛直流が沈下を抑制していると考えられた.

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