Bird Research
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原著論文
鳥類の食物としての飛翔性昆虫の簡便なモニタリング手法の検討
植田 睦之
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2006 年 2 巻 p. A25-A33

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抄録

鳥類の減少の一因として,その食物となる飛翔性昆虫が減少していることが考えられる.しかし,飛翔性昆虫の個体数のモニタリングはほとんどなされておらず,その現況は明らかでない.そこで,飛翔性昆虫のモニタリング手法を考えるために,東京都中西部で,昆虫の調査手法として使われるライトトラップを簡便化した手法を試みた.この手法は自動販売機の灯りに夜間集まってくる昆虫をかぞえる方法で,この手法により得られた昆虫量指標は 4月から 6月にかけては河川沿いに多く,その後,それ以外の地域との差は小さくなった.さらに,その季節変化は 2年とも一致していた.また,春の昆虫量指標が多いことが示された河川沿いには,ツバメが早く定着することも明らかになった.これらの結果は,今回試みた手法により飛翔性昆虫のモニタリングができることを示唆しており,今後は全国各地の様々な環境で試験して,全国的な飛翔性昆虫のモニタリングの可能性について検討していきたい.

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