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Bird Research
Vol. 4 (2008) P A19-A29

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http://doi.org/10.11211/birdresearch.4.A19

原著論文

スズメは日本において最も身近な鳥でありながら,その基礎的な生態についてわかっていないことが多い鳥でもある.本研究では,スズメの最も基礎的なデータの 1つである,日本本土におけるスズメの個体数を推定することを試みた.まず,スズメの生息密度が異なると予測される 5つの環境において(商用地;住宅地;農村;非繁殖地;その他),野外調査によりスズメの巣密度を調査した.そして,それぞれの環境が日本本土に何km2あるのかをGISデータより求め,環境ごとに面積と巣密度を掛け合わせることで,日本本土におけるスズメの全巣数を推定した.その結果,約900万巣という結果が得られた.この値に一夫一妻を仮定して 2倍することで,2008年の繁殖期における日本本土のスズメの成鳥個体数は,およそ1,800万羽と推定できた.成鳥 1つがいあたり,秋までに 3羽の若鳥が生存すると仮定すると,秋には4,500万羽ということになる.なお,この値の取り扱いには注意する必要がある.なぜなら,これらの推定値はいくつかの仮定に基づいているため推定値としては粗いものであり,また実際のスズメ個体数は年によって変動すると推測されるからである.一方で,そのような粗さを考慮に入れても,日本本土における繁殖期におけるスズメの成鳥個体数は,数千万の桁に収まると思われる.

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