2010 年 6 巻 p. T11-T21
近年,日本においてスズメ Passer montanus がサクラ Prunus sp. の蜜を吸い,その結果,花を落とす行動がよく見られるようになっている.これにより,サクラを愛でる個人や団体が不利益を被ることになる.そこで、,その程度を定量化する方法を考案した.その方法とは,サクラの樹の下に落ちている花を拾い,スズメによって落とされたものかどうかを判定するものである.本論文では,この方法の利点,問題点をまとめた.また,この方法を用いて評価する限り,盛岡市内および近郊の4つのサクラの名所では,スズメによるサクラへの害は軽微であることが示された.