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Bird Research
Vol. 7 (2011) P A13-A31

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http://doi.org/10.11211/birdresearch.7.A13

原著論文

個体数や生息地面積の把握と共に局所個体群の生息の安定性を推定することは,火山諸島の希少種の保全のために,特に重要であると考えられる.本論文では,2002-03年の伊豆諸島におけるヤマガラの生息個体数と生息地の面積(森林面積)を島および亜種ごとに推測するとともに,各島での1955-2009年のあいだの生息の安定性に影響する要因を推定した.その結果,本土と共通する亜種ヤマガラは最も北の大島にだけ分布し,約60km2の森林に最低12羽から最大1,140羽生息すると推定された.絶滅危惧IB類に指定されている亜種ナミエヤマガラは伊豆諸島中部の新島と神津島の約20km2の森林に1,760-1,850羽,絶滅危惧II類の亜種オーストンヤマガラは南部の三宅島,御蔵島,八丈島の約65km2の森林に4,420-5,290羽,生息すると推定された.モデル選択の結果,伊豆諸島のヤマガラの生息割合に最も影響を与えていた要因は,島の面積であった.モデル式から,局所個体群の生息割合は,面積14.0km2以上の島で安定した生息を示す0.9以上の値をとり,1.7km2未満の島では0.1以下であった.伊豆諸島のうち面積が中程度,3-6km2の島(利島,式根島,八丈小島,青ヶ島)ではヤマガラの局所的な絶滅,侵入が起こりやすいと予測され,実際,近年,利島では絶滅が,式根島では侵入が確認された.

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