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Bird Research
Vol. 7 (2011) P A33-A44

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http://doi.org/10.11211/birdresearch.7.A33

原著論文

アンケートや文献調査から,亜種リュウキュウサンショウクイ Pericrocotus divaricatus tegimae の西日本における分布拡大状況を把握した.1970年代に南九州に生息していた本亜種は,2010年までに九州北部・四国・紀伊半島においても確認されるようになった.生息地では留鳥であるが,一部個体は冬には繁殖地より暖かい中~低標高地へ移動している可能性もある.生息環境について,亜種サンショウクイ P. d. divaricatus と比較すると,両亜種のニッチは似通っているもしくは連続的であった.現在,繁殖期は亜種サンショウクイの方が北の地域に生息しているものの,越冬期は亜種リュウキュウサンショウクイの方が北の地域に生息していることから,両亜種の分布の違いは寒さへの生理的耐性では説明できない.1980年代に亜種サンショウクイが減少し,空いた地域で亜種リュウキュウサンショウクイが夏に繁殖できるようになり,さらに越冬するようになったものと示唆される.環境条件から推定した生息可能域は,関東地方にまでおよぶことがわかった.

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