採食環境が重複するアオサギ Ardea cinerea とダイサギ A. alba について,千葉県の水田で採食行動を観察した.両種はいずれもタニシとドジョウを主に採食しており,競争関係にあると考えられた.採食試行や採食成功の頻度はダイサギがアオサギを上回っていたが,採食した生物量はアオサギの方が多い傾向がみられた.これはダイサギが小さなタニシを採食する割合が高いことから生じていると考えられた.ダイサギは歩きながら頻繁に小さな餌生物を採食し,アオサギは待ち伏せをして少ない機会に大きな餌生物を採食することによって食物をめぐる競争を緩和していると考えられた.