桐生大学紀要
Online ISSN : 2435-7049
Print ISSN : 2186-4748
学生実験のための緑色蛍光タンパク質遺伝子を組み込んだプラスミドベクター pGreen-BSK+ の構築
小林 葉子
著者情報
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2014 年 24 巻 p. 103-110

詳細
抄録

分子生物学の発展は目覚ましく,基礎的な分子生物学実験を学生実験にも取り入れる時代になっている.遺伝子 組換え実験は,関連法規に従い行う必要がある.また,学生実験では,限られた期間で学生が興味を持ち,かつ, 容易に実験ができるようにしなければならない.プラスミドpGreen は,強い緑色蛍光を発する緑色蛍光タンパク 質(Green fluorescence protein: GFP)をコードするGFP 遺伝子(gfp)を含んでいる.pGreen から取り出したgfp を プラスミドpBluescriptSK+ に挿入し,学生実験に用いることのできるプラスミドpGreen-BSK+ を構築した.その 際,lac プロモーターが作用する方向とは逆向きにgfp を組み込み,また,1度のサブクローニングでgfp を含む DNA 領域を大腸菌でのタンパク質発現ベクターであるpET19b に挿入できるよう塩基配列を置換した.Gfp を組み 込んだpET19b で形質転換された大腸菌JM109(DE3) に紫外線を当てると緑色蛍光を発し,GFP タンパク質の発現 を確認することができた.すなわち,pGreen-BSK+ は,学生実験の遺伝子組換え実験に用いることのできる有用な プラスミドベクターと言える.

著者関連情報
© 2014 桐生大学・桐生大学短期大学部
前の記事 次の記事
feedback
Top