桐生大学紀要
Online ISSN : 2435-7049
Print ISSN : 2186-4748
認知症の有無による高齢者の独居生活中断時の心身の状態と社会資源の利用
堀口 和子岩田 昇久保田 真美
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2020 年 31 巻 p. 133-141

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抄録

 本研究は,高齢者の独居生活中断時の心身の状態および社会資源の利用状況が認知症の有無によって異なるのか 否かを検討することを目的とした.調査は独居高齢者の担当経験を持つ介護支援専門員を対象に,質問紙調査票に よる郵送法で行った.質問紙調査票520部を配布し,198部の回答を得た(回収率38%).担当した高齢者が認知症を 有する認知症群(112名)とそれ以外の非認知症群(79名)の独居中断時の状態を比較検討した.認知症群・非認知症群 とも平均83~84歳で独居生活を中断していた.非認知症群に比べて,認知症群の方が要介護度が高く,IADLは低く, 日常生活・健康管理の下位尺度「生活・健康管理困難」,「対外トラブル・リスク」,「排泄・保清保持困難」のいずれも日常 生活や健康管理が困難な状態であった.認知症群の別居家族の方が金銭管理や介護支援専門員と連絡を取ることが 多く,非認知症群の家族の方は高齢者の相談相手になることが多かった.認知症群の方が気にかけてくれる地域住 民が多く,安否確認や介護支援専門員・家族への連絡を行う地域住民も多かった.一方,非認知症群の方が地域住 民が話し相手になることが多かった.介護保険サービス利用では,認知症群の方が通所系サービスが多く,非認知 症群の方が福祉用具利用が多かった.高齢者が独居生活を継続するには,別居家族・地域住民・専門職の支援や相互 連携が重要であることが示唆された.

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© 2020 桐生大学・桐生大学短期大学部
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