2007 年 2007 巻 2 号 p. 2_74-2_84
センサネットワークのための低速無線PAN(WPAN:Wireless Personal Area Networks)として,物理レイヤに標準規格IEEE802.15.4を用いたZigBeeは知られているが,IEEE802.15.4の代替物理レイヤとして,ウルトラワイドバンド(UWB:Ultra-Wideband)技術を利用した標準規格IEEE802.15.4aが2007年3月に成立した.IEEE802.15.4aはUWB技術の特徴である超広帯域性と高い時間分解能を利用してデータ通信と高精度の測距・測位を同時にサポートできる仕様となっているため,低速無線PANの利用はいっそう加速されることが期待される.本論文では,標準規格IEEE802.15.4aの標準化プロセスを概観するとともに,同標準規格の必須仕様と主要オプションについて解説する.更に,同標準規格を利用する上での問題点と開発課題を議論する.