バイオフィリア リハビリテーション研究
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国際バイオフィリア リハビリテーション学会(高社研)(2009年-2013年)
科学技術と長寿化に係る社会保障政策
第7 回キューバ大会の開催
滝沢 茂男
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2017 年 2017 巻 1 号 p. 77-79

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抄録

 本年は国際学会のほか、日本との国交80周年に当たる記念事業としてキューバ政府の支援を受け、また外務省の後援事業として外務大臣のご許可をいただき、「科学技術の知と人類の長寿化に係る社会保障政策」に関し、技術移転や問題探索を中心にワークショップを開催しました。

 11月24・25日の大会は、同国唯一の全国紙「グランマ」でも大きく報道されました。学会では多面的な討議が行われました。癌患者のリハビリテーションなど興味深い報告の中で両国の長寿研究へのアプローチが明らかになり、また今後の課題について閉会後も昼食会・夕食会や病院視察を通じて討議されました。また、ワークショップではキューバ政府が10年前に設立した、ラテンアメリカ諸国からの医学留学生を教育することを目標としているラテンアメリカ医科大学で、ポーランド科学アカデミー会員のポコロフスキー医学博士と私が100人程度の教員、修士課程留学生を対象に、バイオフィリアリハビリテーション(タキザワメソッド:米国特許と創動運動)の可能性について講演しました。第1回大会のサイパン政府との共同開催によってパラオ共和国にその方法が普及したように、中南米各国への普及の可能性を強く感じました。著作4冊を、日本語著作であっても在日キューバ大使館経由で図書館に配置したいとの希望があったほどでした。キューバでは一人の医師に対し179人の住民と、同500人の日本とは大きく異なっており、その現状を知るのも一つの目的でした。学会ではその現状が報告され、また地域の1次診療施設の視察もしました。私たちは、乳幼児死亡率や長寿に関して共通の認識が基盤にあることを確認しました。

 我々の学会活動は、各国政府との共同開催や昨年の世界保健機関(WHO)の後援に見られるように世界各国から期待されています。

 誕生から死に至るまでの人の一生を、自然の支配から人の意思の下に移したと理解しました。死生の自然な仕組みが変質したのであり、胃瘻造設(経口摂取困難患者へのチューブによる栄養管理処置)による生命維持などのあり方にまで議論が至りました。今後共に研究を進めたいとキューバ薬理学会と意見が一致して、来年の同学会における招待講演を依頼されました。

 自立社会確立に向けて人々の意識改革も重要と思われます。新たな課題として、生活者自立型の社会が実現できる社会保障研究へ、多くの研究者の参画を期待しています。

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© 2017 バイオフィリア リハビリテーション学会
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