1995 年 27 巻 2 号 p. 27-36
本研究は柔道競技の組み合わせ抽選のパソコンによる電算化の可能性について検討するのが目的である。
柔道競技の通常の抽選方法は次の4つに分類される。つまり、
(1)各チーム1名、シードなし
(2)各チーム1名、シードあり
(3)各チーム複数名、シードなし
(4)各チーム複数名、シードあり
である。(1)及び(2)については順位の乱数を用いたアルゴリズムを適用した。それ以外の場合については繰り返し乱数を発生させ、適正な位置を条件変数により判断させるアルゴリズムを提案した。結果、パソコンを用いたにもかかわらず、処理時間は非常に短く、このことから小規模の大会へも適用可能であることがわかった。
さらには、抽選作業の事務労力の軽減と処理時間の短縮が当初の目的であったにもかかわらず、より複雑な条件を加味させることから、積極的に観衆の興味を引くような組み合わせを作り上げるというようなことも可能であることがわかった。