地質調査研究報告
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熱帯インド南西沿岸における河川-汽水-沿岸域底質堆積物の地球化学
Kuttickat Paul SHAJAN
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2001 年 52 巻 8 号 p. 371-382

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抄録

インド南西岸,Kerala州沿岸域のPeriyar,Muvattupuzha川及びCochin汽水域周辺の底質堆積物の地化学的 検討を行い,元素の分布とj農集パターン,起源,そして元素分布の規制要因と環境からの混入について検討した.河川堆積物試料は砂質シル卜ないし砂で,汽水性および沿岸堆積物はシルト質砂から泥である.検討の結果,堆積 物粒度組成が元素分布の主要な規制要因であることが明らかになった.汽水性ならびに沿岸堆積物ではMn,Ca, Al, Ti, Fe, Na, P, K, Mg, Li, Sc, V, Cr, Co, Ni, Cu, Zn, As, Rb, Ta, Zr, Nb, Pbそして灼熱減量組成に富み,Siに乏しい.有機物に富む試料でも同様なFe,Al, Mg, P, Cu, Ni, Co, CrそしてVの挙動を示す.その他の可能性のある 元素濃集要因として,Fe/Mn水酸化物による金属元素の吸着と重鉱物の濃集があげられる.Fe, Mg, P, Zn, Ba, Pb, Cd, BiそしてCrは多くの試料で濃集しているが,これは全ての試料に人為的汚染が生じており,特にPeriyar川 とその河口域にもっとも大きな重金属類の濃集が認められる.

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© 2001 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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