2002 年 53 巻 11-12 号 p. 795-800
天然の岩石には多様な斜長石双晶形式が出現するが,その意味の理解には最近の地質学的な解析の結果を加味した再検討が必要である.そのためには,迅速で信頼性の高い斜長石双晶決定法が要求される.そこで小論ではその方法を整理した.双晶決定には自在回転台を利用する.双晶は接合面と対称軸の位置関係から定義できるので,まず接合面を劈開あるいは対角位での光学的な伸長性から決定する.次に垂直双晶か平行双晶か複合双晶かを,対称軸と接合面の関係に基づく光学的な特性から決定する.これらの結果を組み合わせることで,天然に産するほとんどの斜長石双晶形式を同定できる.