地質調査研究報告
Online ISSN : 2186-490X
Print ISSN : 1346-4272
ISSN-L : 1346-4272
論文
宮崎地域の重力異常について
名和 一成村田 泰章駒澤 正夫森尻 理恵広島 俊男牧野 雅彦村上 文敏岸本 清行大熊 茂雄志知 龍一
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 56 巻 5-6 号 p. 183-208

詳細
抄録

産総研地質調査総合センターでは,20 万分の1重力図の系統的整備を行っている.新たに測定したものを加えた陸域の重力データと,地質調査所GH83-1航海で測定した海域の重力データを統一的に処理・編集して,「宮崎地域重力図(ブーゲー異常)」を出版した.この重力図には,宮崎沖堆積盆地や九州外帯の屈曲構造に対応する長波長の異常や,人吉・小林・都城盆地に対応する短波長の異常が見られる.また,短波長を抽出したフィルター図では,宮崎平野下の負異常や,過去の研究でも指摘された宮崎平野北部と西部の高重力異常が確認できる.一方,九州山地にも高重力異常が分布するが,重力補正に用いた仮定密度と実際の山体の密度との差から生じる見かけのものである.このため,基盤構造推定に利用する際には,地形の影響を考慮する必要がある.

著者関連情報
© 2005 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
前の記事 次の記事
feedback
Top