抄録
神奈川県西部の山北地域で行われた大深度ボーリングのコア試料から有孔虫化石が産出した.掘削地点は足柄山地南部,伊豆‐小笠原弧と本州弧の衝突境界近傍に位置する.ボーリングの深度 820 ~ 850 m 付近から得られた石灰質極粗粒砂岩及び砂質泥岩から,保存不良の浮遊性及び底生有孔虫化石が産出した.産出する化石が示唆する古環境は,外洋水の影響を強く受けた浅海環境である.石灰質極粗粒砂岩からは CN13a-14b 帯に相当する石灰質ナノ化石が報告されており,年代的には足柄層群中部‐上部に相当する.しかし,両者は岩相が大きく異なることから,本研究で有孔虫を検出した海成層は足柄層群とは異なる堆積物供給源を持っていた可能性が高い.