抄録
降下火山灰は,少量であっても,産業活動の中心である大都市も含めた広範囲にわたり大きな災害をもたらす可能性があるが,これまで,その総括的評価はなされていなかった.本研究では,わが国の降下火山灰の分布に関する既存の公表資料を整理し,補間等を行うことによって,火山灰の等層厚線図を完成させ,火山灰名,噴出火山名,噴出時代,文献等を整理し,ディジタイズ化及びデータベース作成を行った.収録した火山灰のユニットは,551 であり,作成されたデータベースから,国土数値情報の第 3 次メッシュ,すなわち約 1 km メッシュごとの各火山灰の名前,噴出年代,層厚などの情報が引き出せるようにした.本研究で作成した降下火山灰のデータベースは,国土数値情報に基ことが容易である.今後のスムーズな情報の提供を,電子情報等を通じて行う予定である.