地質調査研究報告
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論文
ラオス南部ボラヴェン台地におけるAl,Ga,Scの濃集に関連する玄武岩と砂岩のラテライト化
実松 健造守山 武Sotouky Laochou渡辺 寧
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2011 年 62 巻 3-4 号 p. 105-129

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抄録

 本稿はラオス南部ボラヴェン台地の玄武岩と砂岩のラテライト化によるAl,Ga,Sc の地球化学的挙動と濃集について報告する.ボラヴェン台地は新第三紀から新生代の玄武岩とその下位に位置する白亜紀堆積岩から構成される.玄武岩や堆積岩起源のラテライトはこれらの原岩の上に発達している.ラテライト化の進行によって Si,アルカリ元素,アルカリ土類元素といった移動性元素が失われ,相対的にAl,Ga,Sc といった難移動性元素が原岩に対して富むようになる.その結果,Al2O3含有量は玄武岩で10~15 %,サプロライトで16~30 %,玄武岩ラテライトで17~48 %,堆積岩ラテライトは15~47 % である.Ga 含有量は玄武岩で6~20 ppm,サプロライトで9~46 ppm,玄武岩ラテライトで24~83 ppm,堆積岩ラテライトで22~68 ppm である.Sc 含有量は玄武岩で14~23 ppm,サプロライトで14~45 ppm,玄武岩ラテライトで24~69 ppm,堆積岩ラテライトで13~84 ppm である.玄武岩ラテライトと堆積岩ラテライトの間でこれらの元素の濃集度に有意な違いは認められない.Ga とAl そしてSc とFe の間には地球化学的挙動の類似性と線的な正の相関が確認され,これらはラテライト中でGa とSc がそれぞれAl とFe を置換して存在していることを示唆する.Ga/Al 比はラテライト化の進行に伴って様々な値をとるようになるが,Ga はAl に対してほとんど枯渇することはない.Sc/Fe 比は強いラテライト化によってSc がFe に対して若干枯渇することがあることを示す.

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© 2011 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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