2014 年 65 巻 3-4 号 p. 45-55
多数のボーリング柱状図資料から読み取った沖積層基底深度の分布を内挿法によって描写することで,近年日本全国の平野地下の沖積層基底に起伏地形が存在することが明らかにされつつある.しかし,これらの起伏地形はボーリング柱状図資料の不完全な記載によるものとして従来は捨象されてきた.最近の沖積層基底礫層の年代と海水準変動曲線に基づくと,これらの起伏地形は複数の海洋酸素同位体ステージの開析谷と埋没段丘が重複した結果と解釈され,本来的に形成された可能性が高い.