地質調査研究報告
Online ISSN : 2186-490X
Print ISSN : 1346-4272
ISSN-L : 1346-4272
論文
長期連続観測にもとづく会津盆地における地下水位及び地下水温変動の特徴
金子 翔平柴崎 直明庄司 美由内田 洋平
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 67 巻 6 号 p. 183-208

詳細
抄録

福島県会津盆地における16地点において,地下水位及び地下水温の連続観測を行った.市街地付近での冬季の消雪用井戸の稼働によって低下した地下水位は,夏季に向かい回復するが,深層においては必ずしも前年の地下水位まで回復しない地点もある.このような地点では水収支がマイナスになっていると推察される.深井戸での地下水温は,年々低下する地点がみられた.この理由は冬季に深井戸の地下水位が低下したことにより浅層部の地下水を下方へ引き込んでいるためと推定される.地下水温は熱伝導の影響だけではなく,揚水により誘発された地下水流動の影響も受けている可能性が考えられる.

著者関連情報
© 2016 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
次の記事
feedback
Top