地質調査研究報告
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論文
佐渡島,中新統鶴子層から得られた放散虫化石と堆積年代
川谷 文子指田 勝男上松 佐知子甲能 直樹
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2019 年 70 巻 1-2 号 p. 91-99

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抄録

 新潟県佐渡島に分布する鶴子(つるし)層は,主に下部の玄武岩と上部の泥岩からなる中期中新世の地層である.鶴子層は,堆積した当時に大規模な日本海の拡大がおきたことから佐渡島の地史や日本海の発達史を解明する手掛かりを持つと考えられる.本研究では, 鶴子層の詳細な年代を検討するため,佐渡島南部に分布する露頭より泥岩試料と炭酸塩ノジュール試料を採取し,放散虫化石の抽出を行った.鶴子層の分布する3地点の試料より得られた放散虫化石に基づいて生層序学的検討を行った.その結果,鶴子層の年代は,地点1 はEucyrtidium inflatumが産出することからE.inflatum Zone に相当する15.3–11.7 Maであると考えられる.地点2 からは, E. inflatummagnacornuta及びLychnocanoma kamtschaticaが産出した.これら3種の産出により,地点2の鶴子層はE. inflatum Zone(15.3–11.7 Ma)からL. magnacornuta Zone(11.7–9.1 Ma)に相当すると考えられる.L. kamtschaticaはこれまで北太平洋高緯度地域からしか報告がなかったが,今回この種の生息域が日本海に及んでいたことが初めて示された. 地点3の年代は,Cyrtocapsella tetraperaCyrtocapsella japonicaが比較的多く産出している点から,E. inflatum Zone のSubzone aかそれよりも古いと考えられる.

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© 2019 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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