地質調査研究報告
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論文
白嶺丸重磁力データの整備・公開
石原 丈実
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2021 年 72 巻 5 号 p. 421-445

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抄録

地質調査所による1974年から1999年の地質調査船白嶺丸のほとんどの航海に対して1分間隔の均質なデータを整備した.GPSが一般的になる前は,船舶の位置データの精度が悪いため測線間の交点誤差が大きく,広範囲の磁気図・重力図の作成は困難だった.こうしたデータが多く含まれる白嶺丸の重力・全磁力データに対して,フィルターや衛星データの活用も含む各種補正により,測線に沿う不自然な異常のない磁気異常データ,アルチメトリによるものよりノイズの少ないフリーエア異常データを作成し,公開した.全航海に対するレベリング補正後の磁気異常データの二乗平均平方根交点誤差(RMS COD;root mean square crossover difference)は26.1 nT,アルチメトリ補正・レベリング補正後のフリーエア異常データのRMS CODは3.2 mGalである.測位データ補正後の観測値のみのマスターデータファイル,重力異常を計算した重力・測深データファイル,磁気異常を計算した磁力データファイルの3種類のデータを地質調査総合センター研究資料集No.714として公開した.

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© 2021 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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