放送研究と調査
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都市直下型地震 その時役立つメディアとは?
大阪北部地震のメディア利用動向インターネット調査から
入江 さやか西 久美子
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2019 年 69 巻 3 号 p. 50-59

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抄録

2018年6月18日に発生した「大阪府北部を震源とする地震(以下、大阪北部地震と表記する)では、大阪府で震度6弱の揺れを観測した。月曜日の朝に起きたこの地震で関西地方の多くの鉄道が運転を見合わせ、いわゆる「帰宅困難者」も多数発生した。NHKでは、地震発生当日のメディア利用状況を把握するため、大阪府全域を「大阪府北部」と「その他の地域」に分け、約2,000人を対象にインターネット調査を実施した。■「地震発生当日に知りたかった情報」に関する設問に対しては、「自宅・知人・親戚の家」にいた場合は「地震の規模や余震」という回答が最も多かったが、一方、「外出先」や「移動中」で自宅を離れていた場合は、「家族・親族の安否」に関する情報が最も多かった。■地震発生直後に利用したメディアは、「自宅・知人・親戚の家」にいた場合は、テレビから情報を得ていたという回答が多数を占めた(インターネット経由の同時配信によるテレビの視聴は含まず)。「外出先」「移動中」の場合はスマートフォンなどでインターネットから情報を得ていたことがうかがわれる。■「大阪府北部」に居住する調査対象者(1,014人)のうち25%が、自宅に帰れなかったり、徒歩で帰宅するなどの「帰宅困難者」となっていた。■「帰宅困難者」が帰宅の可否を判断するために利用したメディアとして、「ポータルサイト・アプリ」という回答が最も多かった。■首都直下地震など大規模災害に備え、多様なメディアを活用して被災者のニーズに応じた情報を迅速に提供することが混乱防止につながると考えられる。

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© 2019 NHK放送文化研究所
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