分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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固相抽出を利用する水道水中のフェノールの高感度吸光光度法
酒井 忠雄手嶋 紀雄粥川 真帆沢村 里美
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2000 年 49 巻 9 号 p. 677-681

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抄録

JIS K 0102による4-AA法では低濃度レベルのフェノールを定量する場合,クロロホルムを用いる溶媒抽出法を利用することになっているが,ng ml-1レベルのフェノール分析は困難である。そこで,Sep-Pak C18及びPorapak RDXを用いる固相抽出法の検討を行った。Sep-Pak C18では4-AA法で発色したアミノアンチピリン色素がpH10で吸着し,60%アセトニトリルにより容易に溶離することが分かった。一方,Porapak RDXにはpH4以下でフェノールが吸着濃縮された。これらの固相抽出法では10~100倍の濃縮が可能となり,1~8ng ml-1の範囲で0.999の相関係数を持つ検量線が得られた。o-クレゾール,m-クレゾール,l-ナフトールの発色率は40ng ml-1においてそれぞれ75,65,27%であった。

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© 2000 The Japan Society for Analytical Chemistry
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