分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
窒素マイクロ波誘導プラズマ質量分析法による河川, 湖水中のバナジウム, クロム, ヒ素, セレン, モリブデンの定量
白崎 俊浩西野 庸山本 和子
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 50 巻 9 号 p. 595-601

詳細
抄録
窒素マイクロ波誘導プラズマ質量分析計 (N2MIP-MS) を用いた陸水中のV, Cr, As, Se, Moの分析方法を確立した. N2MIP-MSは, 上記元素において, ICP質量分析計にて問題となっているプラズマ由来のスペクトル干渉 (40Ar12C, 40Ar35Cl, 40Ar2など) はないが, 陸水中の主成分元素由来のスペクトル干渉は, 十分検討する必要がある. 本報告では, 塩化ナトリウムや炭酸カルシウム溶液などを用いてN2MIP-MSにおけるスペクトル干渉を検討した. その結果, 51Vに干渉する14N223Na+の生成が確認されたが, ほかの目的元素のm/z には, 顕著な干渉は存在しなかった. 51Vに対する14N223Na+の干渉は, プラズマ出力を増加して, 14N223Na+の生成を減少させ, 試料を純水にて5~10倍に希釈することで抑制された. 確立した条件を用い, River Water Reference Material for Trace metals (NRC・CNRC SLRS-4), 日本分析化学会河川水標準物質“添加” (JAC 0032) を分析した結果, 分析値は保証値又は既報値と良く一致し, 本法が有用であることが明らかとなった. 更に実試料として, 国内13河川と琵琶湖湖水の分析を行った. 本法の検出限界 (バックグラウンド信号の3σに相当する濃度) は, V, Cr, As, Se及びMoについて, それぞれ0.3, 0.2, 8.3, 26, 4.0ng/lであった.
著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2001
前の記事 次の記事
feedback
Top