2004 年 53 巻 8 号 p. 847-850
覚せい剤原料であるジメチルアンフェタミン塩酸塩(DMA)に微量の覚せい剤メタンフェタミン塩酸塩(MA)が含有されているかどうかを分析する方法を検討した.ガスクロマトグラフ/質量分析装置で確認するための前処理法として,MAを選択的に抽出するための溶媒系の最適化を行った.その結果,トルエン : ピリジン(5 : 1)の溶媒を用いて抽出すれば100 mgのDMA中に5 μgのMAが存在しても,MAの確認ができることが明らかとなった.本法は,抽出残査である粉末と溶媒の混合物から溶媒を除去することでDMAを容易に回収できることも判明した.