分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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水中におけるDNA-フラーレン会合体の形成
野島 高彦山下 健一八田 泰三柘植 乙彦岩瀧 敏男牧田 直子吉川 研一藤井 聡竹中 繁織
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2005 年 54 巻 6 号 p. 449-454

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抄録

水溶液中における3種類のカチオン性水溶性フラーレン誘導体1a,1b,1c(それぞれα-,β-,γ-異性体)とDNAとの相互作用を種々の手法により詳細に検討した.水溶液中において1a及び1bは直径330 nmから340 nmの集合体を,1cは直径1400 nmの集合体をそれぞれ形成し,凝集状態にあること,そしてバクテリオファージT4由来DNAの添加に伴い集合体が解消されることが動的光散乱測定及び蛍光顕微鏡観察から示された.DNA添加に伴い凝集状態を解消したフラーレン誘導体は,DNA分子鎖に沿って配向することが分光学測定及び電子顕微鏡観察から分かった.DNAとフラーレン誘導体がエネルギー的に安定な会合状態を取り得ることが動力学計算により示された.これら一連の知見は,DNAを基本骨格とするナノ構造体開発において有用な情報である.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2005
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