2008 年 57 巻 8 号 p. 625-629
酵素機能電極の反応速度パラメーターを得ることは,その電極を組み込んだデバイスを評価する上で非常に重要である.本研究では,酵素としてピロロキノリンキノン依存性グルコースデヒドロゲナーゼ,メディエータとしてフェロセンカルボン酸を用いたグルコースのバイオエレクトロカタリシス反応を例に挙げ,その反応解析に交流インピーダンス法を適用した.メディエータの酸化還元反応に関する複素平面プロットは,酵素触媒反応が共役することにより半弧になり,その直径はメディエータ濃度に反比例した.酵素とメディエータが一次反応となる条件において,測定結果を理論式で解析し,反応速度パラメーターを算出した.この値をサイクリックボルタンメトリーにより算出した値と比較したところ妥当であることを確認し,交流インピーダンス法が酵素機能電極の反応解析にも有用であることを示した.