分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
時間分解蛍光分光法を用いるシリカメソ細孔内部のキャラクタリゼーション
山口 央上條 利夫寺前 紀夫
著者情報
ジャーナル フリー

58 巻 (2009) 6 号 p. 507-516

詳細
PDFをダウンロード (1240K) 発行機関連絡先
抄録

クマリン色素を蛍光プローブとした時間分解蛍光測定では,蛍光スペクトルのダイナミックストークスシフト解析からクマリン色素の微視的環境を反映した溶媒和ダイナミクスについての情報を得ることができる.本研究では,複数のクマリン色素を蛍光プローブとし,分子サイズで均一なメソ空間内部における蛍光ダイナミックストークスシフトの解析を行った.直径3.4 nmのシリカメソ細孔内部にCTAB(cethyltrimethylammonium bromide)ミセルが充填されたシリカ-CTABナノ複合体内部では,有する官能基の種類によってクマリン色素の存在分布が異なること,クマリン色素の分布位置によって溶媒和ダイナミクスが異なることが分かった.また,直径3.1 nmのシリカメソ細孔内部に閉じ込められたアルコール溶媒分子では,アルキル鎖長が比較的短いエタノールやブタノールではバルク中に比べて顕著な溶媒和ダイナミクスの低下が起こることを明らかにした.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2009
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top