分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
ドデシル硫酸ナトリウムを用いる底質からの多環芳香族炭化水素類の抽出と定量
富田 陽子三原 義広田中 俊逸
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 59 巻 12 号 p. 1119-1123

詳細
抄録

ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)によって底質から多環芳香族炭化水素類(PAHs)を抽出し,界面活性剤を塩酸によって相分離した後にHPLC-蛍光検出する方法について検討した.抽出の際のSDSの添加量,相分離の際の塩酸濃度,加熱温度,時間等について検討し,最適条件を試料中のSDS濃度を0.1 M,塩酸濃度を4 M,加熱温度を60℃,濃縮時間を90分間とした.PAHsの濃縮率は,キニザリングリーンSSを濃縮指標とし,相分離の前後でのキニザリングリーンSSの濃度変化から求めることができた.最適化条件におけるSDS界面活性剤相へのPAHsの濃縮率はおよそ10倍,模擬底質からのアントラセン,フルオランテン,ピレンの添加回収率は95% 以上を示した.中国東北部吉林省松花江の底質のPAHs分析に同法を適用したところ,アントラセン,フルオランテン,ピレンの濃度はそれぞれ80 μg/kg,230 μg/kg,220 μg/kgとなった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2010
前の記事 次の記事
feedback
Top