分析化学
Print ISSN : 0525-1931
年間特集「土」:報文
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)に対する水-エタノール混合系の共貧溶媒性を利用する土壌中油分のオンサイト比濁測定
村居 景太石井 誠治奥村 浩岡内 完治
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60 巻 (2011) 12 号 p. 939-945

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抄録

ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)が水およびアルコールに易溶であるがその混合溶媒には不溶である性質(共貧溶媒性,co-nonsolvency)を利用し,土壌中の油分を現場で迅速に比濁測定する方法を確立した.PNIPAAmのエタノール溶液を土壌試料に浸透させて得た溶出液に塩化ナトリウム水溶液を加え,液中で形成される高分子相に油分を抽出した.容器壁面に付着した高分子相を液相から分離した後,新たに水を加えて高分子相を溶解し,抽出した油分を解膠させてエマルションを得た.エマルションの濁度は油分量に依存したので比濁法によって油分を測定した.また,土壌からの油分の溶出操作を簡易に実施するため,ろ過材を備えたカラム型器具を考案し,反応容器および携帯型光度計と併せてキット化した.土壌試料1.0 g中の油分の測定範囲はA重油換算で400~5000 mg kg-1であり,全操作に必要な所要時間は約10分間であった.得られた検出値はガスクロマトグラフィー(GC)で測定した全石油系炭化水素(TPH)の値と良好な直線関係を示した.本法は土壌の油汚染を現場で判定するためのスクリーニング試験に有用である.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2011
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