分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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メンブランフィルター上に捕集されるイオン会合体相への抽出を利用する低濃度溶存マンガンのオンサイト目視比色定量
村居 景太本多 宏子奥村 浩岡内 完治
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60 巻 (2011) 6 号 p. 507-514

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抄録

水中に溶存する数十ppbレベルのマンガンを,現場で目視比色定量する方法を確立した.溶存マンガンをIO4によって紅色のMnO4に酸化し,ベンゼトニウムイオン(Ben)を添加してナイロン製メンブランフィルター表面に濃縮した.酸化剤として過剰に加えたIO4とBenから生じたエマルション粒子状のイオン会合体相中にMnO4・Benが抽出され,会合体相ごとフィルターに捕集されることを見いだした.捕集後のフィルターはMnO4量に依存して紅色を呈したので,標準色列との目視比色によりマンガンを定量した.操作を簡便化するために,発色試薬を封入したポリエチレンチューブと,直径4.0 mmのろ過面を持つフィルターを装填したろ過器をキット化した.試料水1.5 mL中の溶存マンガンの目視定量範囲は0.02~1 mg L−1であり,約3分間の所要時間で水道水質基準0.05 mg L−1が判定できた.本法を地下水および河川水試料に適用し,ICP-MSとよく一致する結果を得た.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2011
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