分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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デュアルエナジー型X線検査装置を用いるメタンフェタミン迅速判定の可能性
中野 和彦水田 完山崎 良宮下 広海片田 徹中村 正巳青山 繁俊
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2012 年 61 巻 7 号 p. 605-611

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抄録

デュアルエナジー型X線検査装置を用いた覚醒剤(メタンフェタミン)の自動判定システムについて検討を行った.デュアルエナジー型X線検査装置の物質識別能力の理論計算は,高エネルギーのX線及び低エネルギーのX線を照射した場合のX線の吸収差の違いを利用したα-curve modelにより算出した.メタンフェタミンを含む11種類の物質について理論計算を行った結果,メタンフェタミンと有機物,無機物及び金属を識別する可能性が示唆された.市販のデュアルエナジー型X線検査装置を用いて,6種類の実試料(メタンフェタミン,砂糖,うま味調味料,シリカゲル,アルミニウム粉末,鉄粉)の識別を検討した結果,メタンフェタミンと他の物質を迅速に識別することができ,理論計算による結果とほぼ一致した.本手法は,手荷物や郵便物内に隠匿された不正薬物の迅速スクリーニングへの応用が期待できる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2012
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