分析化学
Print ISSN : 0525-1931
技術論文
テレフタル酸とフェントン反応を利用した河川水中過酸化水素の定量における分析条件の最適化
植木 隆太加藤 稜太今泉 圭隆岩本 洋子Waqar A. JADOON佐久川 弘竹田 一彦
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2019 年 68 巻 2 号 p. 125-131

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抄録

本研究ではテレフタル酸とフェントン反応を利用した河川水中の過酸化水素の定量法について,反応時間を含む分析時間の短縮と亜硝酸イオンによる感度低下の軽減をめどに,分析条件の最適化を行った.本法では過酸化水素と鉄(II) の反応で生成するヒドロキシルラジカルをテレフタル酸と反応させ,ここから生成する2-ヒドロキシテレフタル酸を蛍光検出高速液体クロマトグラフィーで定量した.反応条件を検討したところ,鉄(II) の濃度を高くすると信号強度は低くなるが,反応時間を短縮できることがわかった.また,反応溶液中に硫酸ナトリウムを添加することで,亜硝酸イオンによる感度低下が軽減できることがわかった.最適化された条件下での検出限界は3-5 nmol L−1で,300 nmol L−1の過酸化水素標準溶液の繰り返し精度は0.85% であった.広島県東広島市の黒瀬川において連続観測を行ったところ,過酸化水素の濃度は明瞭な日周変化を示し,14 : 00に最大濃度454 nmol L−1に達し,日の出前に最小値を示した.

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© 2019 The Japan Society for Analytical Chemistry
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