2022 年 71 巻 3 号 p. 153-157
ゼブラフィッシュに対して金ナノロッドを混入した餌を投与し,その動態を組織切片から脱離する金イオンのイメージング質量分析によって追跡した.摂食直後は消化器官から強い金イオンのシグナル(m/z 197)が得られ,12時間後には肝臓にも分布し,さらに24時間後には金イオンシグナルはごくわずかの点からしか得られなかった.臓器を摘出してマススペクトルを測定すると,肝臓に金ナノロッドが滞留することが確認できた.24時間後には,ほとんどの金ナノロッドは体外に排出された.金ナノロッドがナノ材料の体内動態を少なくとも24時間にわたって追跡することができるマスプローブとして機能し,ナノ材料の生体へのリスクを評価する材料になることが明らかになった.