2022 年 71 巻 7.8 号 p. 417-423
著者らは,流体力学に基づいたシミュレーションにより,マイクロ流路への応用に向けたテスラバルブの設計と評価を行った.テスラバルブは非機械式の逆止弁構造であり,マイクロ流路内での試料のコンタミネーション防止に大きく寄与できると期待される.本研究では,マイクロ流路への適応を想定し設計を模索することで,これまで提案されているテスラバルブ構造よりも,高性能な逆止弁効果が得られるテスラバルブ構造を見いだすことに成功した.さらに,テスラバルブ構造に加えて静脈弁構造の逆止弁構造を組み合わせることにより,逆流抑止効果が高まることを見いだしたので報告する.