2022 年 71 巻 9 号 p. 501-510
可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)共重合体の分子量と化学組成の相関を,紫外検出器─示差屈折率検出器二重検出サイズ排除クロマトグラフィーにより解析した.ポリ(スチレン-co-アクリル酸メチル)及びポリ(スチレン-co-アクリル酸tertブチル)において,低重合率試料は,低分子量領域ほどスチレン含有度が高く高分子量領域ではスチレン含有度が低下した.一方,高重合率試料では,低分子量領域ほどスチレン含有度が低く高分子量領域ではスチレン含有度が高くなった.この重合率変化に伴うスチレン含有度の変化は,ポリ(スチレン-co-メタクリル酸メチル)では,ほとんど認められなかった.このスチレン含有度の変化は,RAFT平衡反応において鎖長依存性の存在を示唆するものである.