2023 年 72 巻 12 号 p. 493-496
さまざまな疾患のバイオマーカーとして臨床上重要な「乳酸(lactate)」は,体内でエネルギー物質として再利用されたり,さまざまな細胞現象を引き起こすシグナル分子として働くことが近年わかってきた.これまで,測定試料の分取や測定箇所への電極の挿入が必要なことから一細胞レベル(さらにはサブセルレベル)の空間分解能で乳酸を直接観察することが困難であった.上述の乳酸の新しい役割を検証するには乳酸動態を高い時空間分解能で観察することが必須である.本総説では高い時空間分解能をもつgenetically encoded蛍光バイオセンサーを中心に,近年多く報告されている乳酸バイオセンサーについて概説する.