分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
電磁泳動法とマイクロ流体制御による海洋性微粒子解析システムの開発
阿部 裕一郎飯國 良規河野 誠塩谷 俊人
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 72 巻 3 号 p. 97-104

詳細
抄録

マイクロ流体デバイスを用いて,電磁泳動法に基づき液中に存在するプランクトンの特徴に応じて分離可能なシステムを開発した.プランクトンの異常増殖は赤潮等の公衆衛生上の問題や水産業への被害を引き起こすため,プランクトンの状態をその場で即時検査可能な小型システムは本課題の解決に大変有効である.本研究では,磁場と電流を互いに直交方向に印加した際に生じる電磁泳動とマイクロ流体デバイスを組み合わせることで,微粒子状の植物性プランクトンなど微生物を粒子径に応じて電磁泳動力が強まる現象を利用して分離可能なシステムを開発した.本システムは泳動距離及び泳動速度を画像解析によって計測することで,微生物のキャラクタリゼーションを行うことが可能である.作成したシステムを用いて,微粒子状円石藻類プランクトンであるプレウロクリシスを粒子径10 μmから50 μmの範囲で粒子のサイズ分離を行い,サイズごとの泳動距離及び泳動速度から微生物の高効率な分離を実現できる可能性が示された.

著者関連情報
© 2023 The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top