2025 年 74 巻 10.11 号 p. 635-644
世界各国がカーボンニュートラルを目指すことを宣言し,我が国も2050年をカーボンニュートラル達成目標年として宣言した.本目標を実現するためには,石油資源,バイオマス,廃プラスチック等の有機炭素資源を効率的に利用することが必要不可欠であり,その研究開発に大きな期待が寄せられている.著者は主として使用済プラスチックやバイオマスを化学原料に転換する熱分解プロセスを開発している.更に,熱分解プロセス開発を支援することを目的に,熱分解生成物や熱分解挙動を詳細かつ迅速に評価する熱分解ガスクロマトグラフ(Py-GC)を用いた応用分析法を種々提案してきた.本稿では,これまで報告してきた分析法として,タンデム─μリアクター─ガスクロマトグラフを応用した熱分解─触媒反応その場分析法,熱分解─気相誘導体化─ガスクロマトグラフィー/質量分析法による高沸点熱分解生成物のその場分析法,スーパーエンジニアリングプラスチックの燃焼反応生成物のその場分析法,及びPy-GC/マルチ検出器の開発,に関するこれまでの研究成果をとりまとめ,有機炭素資源利用プロセス開発におけるPy-GCの有効性を解説する.