分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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親水性相互作用クロマトグラフィーによる医薬品原薬の活性本体とその対イオンの同時定量による品質評価
門脇 宥紀菜前田 里奈上野 茉莉川畑 公平西 博行
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2025 年 74 巻 10.11 号 p. 665-671

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抄録

医薬品の定量法では逆相モードのHPLCが汎用されている.一般的な中低分子の合成医薬品で,原薬が活性本体とその対イオン(カウンターイオン)からなる塩である場合,活性本体を保持させる逆相HPLC条件下では,対イオンとして用いられたマレイン酸やフマル酸といった有機酸類は保持せず,ホールドアップタイム(t0)の位置に溶出する.そこで,高極性の化合物の保持・分離に優れた親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を適用し,これら医薬品の活性本体とその対イオンのHPLC保持・分離について検討した.本検討ではHILICモードとして,ジオール型とシクロデキストリン型カラムを用いてビソプロロールフマル酸塩,クロルフェニラミンマレイン酸塩,ジフェンヒドラミンサリチル酸塩など医薬品の対イオンとその活性本体の同時分離法の開発を目的とし,HILICでの分離選択性について検討した.その結果,対イオンである有機酸類の保持に加え,その活性本体も同時に保持し,両者がHILICモードで保持・分離できることが分かった.本法により,医薬品の対イオンの定量について内標準を設定し適用したところ,医薬品は化学量論比からなる塩であることがHILICにより評価できることが示された.また,医薬品の確認試験法として本法は,活性本体とその保持する対イオンを,一度に評価できる手法として有用であることが示された.

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© 2025 The Japan Society for Analytical Chemistry
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