抄録
水素-空気-アルゴン炎中のナトリウムの原子化効率を求めるとともに,炎中の全ナトリウムに対するNaOH,NaClの割合を実験により求めた.測定方法は従来の方法によるのではなく,12mgNa/mlのナトリウム塩を炎中に噴霧して原子吸光によりナトリウム原子を分子吸収によりNaOHやNaClの吸収を測定した.この結果炎中で化合物は水素により還元されて原子状態となることが分かった.原子化効率β値は炎の条件でいろいろな値となるが,最も大きいβ値0.94は化学方程式から計算で求められている値と一致する.炎中のNaOH,NaClの割合は水素流量が少ない条件で0.87,0.74と大きいが,β値0.86の炎中ではそれぞれ0.08,0.05であった.