抄録
近年,高純度アルミニウムが半導体デバイス材料として用いられるようになり,微量不純物元素の低減及びその定量的評価が強く要求されている.本研究では,99.999%のアルミニウム原材料を定常固化法で処理し,処理前後のインゴット中の微量不純物元素の分布パターンを機器中性子放射化分析法を用いて評価し,各不純物元素の実効分配係数を決定した.更に,定常固化処理速度を変えた実験により,処理速度が小さくなるに従って実効分配係数の値が平衡分配係数の値に近づくことが分かった.又,元素の原子半径が大きくなるに従って,分配係数が小さくなる傾向が見られた.