分析化学
Print ISSN : 0525-1931
モリブデン被膜処理管を用いたグラファイト炉原子吸光法による環境試料中のガリウムの定量
白崎 俊浩米谷 明内野 興一酒井 馨
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1991 年 40 巻 4 号 p. 163-168

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抄録
モリブデンを用いて,AASのパイロ化グラファイトチューブを被覆することにより,ガリウムが高感度高精度で分析できることを見いだした.本法を用いることによってガリウムの吸収感度が,モリブデンを被覆する前と比較して,約30倍高感度となった.又,本法における共存塩の影響や酸の影響について詳細な検討を行った.本報ではこのようなガリウムの分析基礎条件検討を行い,良好な分析手法を確立した.又,確立した分析条件を用いて, Orchard Lcavcs (SRM1571)及びPond Sediment (NIESNo.2)を分析し,既報の分析値とよく一致した分析値を得た.なお,1%吸収値におけるガリウムの検出濃度は,大約1.1ng/ml,繰り返し精度は, 4%(n=90)であった.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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