分析化学
Print ISSN : 0525-1931
大気中のクリソタイルアスベストの分離濃縮/X線回折定量
岩附 正明神田 孝深沢 力
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1994 年 43 巻 11 号 p. 879-884

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抄録
大気から種々の方法で捕集した粉じん中のクリソタイルアスベストを重液や酸処理,起泡分離などにより濃縮し,X線回折定量した.ハイボリウムエアサンプラー捕集ではアセトンを加え超音波を照射してフィルターより粉じんをはく離させ,バグフィルター捕集では直接,遠沈管に量り取る.ヨウ化エチルを加えて重液分離して有機物等を除き,沈降物に0.01M塩酸を加えて可溶物を除く.残留物に水,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,エタノールを加え,pH4.8で起泡分離して集めた泡まつを遠心分離する.沈降物をX線無反射試料板に載せ,クリソタイル(004)回折線の積分強度を測定して定量する.検量線は0.01~0.12mgの範囲で良好な直線性を示した.石英,すす,石こう,有機繊維等を混合した試料や粉じん試料20~42mgにクリソタイル約0.1mgを加えて分析した結果,回収率は約90%であった.本法により0.0lmg程度までのクリソタイルが定量できる.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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