抄録
分離カラムとして交換容量の大きいTSK gel-SAX(3.7meq/g),溶離液として濃度の高い塩化ナトリウム溶液(0.5M)を用いることにより,海水中の亜硝酸イオン,硝酸イオン,臭化物イオンを塩化物イオンの影響なしに,良好に分離,定量できた.又,海水の全窒素を定量するため,アルカリ性ペルオキソ二硫酸分解,中和の前処理をした海水に本法を適用したところ,カドミウムカラム還元法と同一の結果が得られた.前処理した海水には多量の硫酸イオンが含まれるが,これはカラムに保持されることなく,試料注入後2分間以内に溶出することも分かった.