分析化学
Print ISSN : 0525-1931
水/ピリジン/クロロ酢酸エチル三成分系均一液液抽出を前段濃縮法とする金属-ポルフィリン錯体の吸光検出高速液体クロマトグラフィー
五十嵐 淑郎井出 憲之高畑 圭二高貝 慶隆
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1999 年 48 巻 12 号 p. 1115-1121

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抄録

水/ピリジン/クロロ酢酸エチル三成分溶媒系において,pH依存相分離現象を利用した新しい均一液液抽出法を開発した.この三成分溶媒系相分離における最適操作条件は,{ピリジン5cm3 (12.0 vol%),クロロ酢酸エチル1cm3(2.0 vol%)を含む均一水溶液44cm3に塩酸6cm3([HCl]T=1.44mol dm-3)を添加し相分離を行う.最終体積:50cm3}である.また,あらかじめ添加するクロロ酢酸エチルの量を調節すると水相(Vw=50cm3)と析出クロロ酢酸エチル相(Vo=5μl)との体積比を1万倍とすることができる.本法において,抽出可能なキレート試薬としてα,β,γ,δ-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)を選定した.Vw/Voが500のとき,分配比(D)及び抽出率{E(%)}は,TCPP (14700, 96.7%), Cu-TCPP (7440, 93.7%), Zn-TCPP (22200, 97.8%), Mn-TCPP (1070,68.1%) 及びCo-TCPP (8760, 94.6%)であった.既に報告した金属-TCPP錯体のHPLCにおける前段濃縮法として本法を応用した.各金属イオン(Cu2+, Zn2+, Mn2+, Co2+)の検量線は, 5×10-9~1×10-7mol dm-3 の範囲で直線であった.また本法は, Al3+, Fe3+ の共存を各金属イオンに対して 50倍量まで許容できた.河川水(日本分析化学会JAC0032)中の各金属イオンの同時定量を行ったところ,良好な結果が得られた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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