分析化学
Print ISSN : 0525-1931
亜鉛(II),カドミウム(II),銅(II)のジフェニルチオカルバゾン及びモノチオテノイルトリフルオロアセトン抽出の熱力学的諸量
高澤 嘉一板橋 英之川本 博
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1999 年 48 巻 7 号 p. 693-697

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抄録
ジフェニルチオカルバゾン(ジチゾン)とモノチオテノイルトリフルオロアセトン(STTA)を抽出試薬に用いて,銅(II),亜鉛(II),カドミウム(II)の抽出定数を各温度で求め,ファントホッフプロットから各抽出平衡のエンタルピー変化とエントロピー変化を見積もった.その結果,ジチゾン抽出系では亜鉛(II)は吸熱的であり,大きな正のエントロピー変化が反応の推進力になっているのに対して,カドミウム(II)は発熱的で抽出がエンタルピー支配で進行していることが分かった.一方,銅(II)の抽出は発熱的で大きな正のエントロピー変化を与えたことから,銅(II)の抽出定数が亜鉛(II)よりも大きいのは主としてエンタルピー的に,カドミウム(II)よりも大きいのはエントロピー的に有利なためであることが分かった.また,STTA抽出系では亜鉛(II),カドミウム(II)とも吸熱的で,小さな正のエントロピー変化を与えるのに対して,銅(II)の抽出は発熱的でより大きな正のエントロピー変化を与えたことから,銅(II)の抽出はエンタルピー的にもエントロピー的にも亜鉛(II)やカドミウム(II)よりも有利であることが分かった.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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